静けくも雨走り行く秋の海
10日近く、パソコンも俳句も忘れて、ぼんやりと過ごした。人に会いたくない、話をしたくない、といった自閉症的症状。
その間、二度も南房総の海に行った。一度目は妻と二人で車で、二度目は一人であてもなく電車に飛び乗って。
車で行くと、どうしてもあちこち動いてしまって、落ち着かない。電車で行けば、あまり動くことはできないので、同じ場所にじっとしていることになる。
安房勝山という大きな港で電車を降り、勝山港に行って見たのだが、釣り人が多く、気にいらない。釣り具屋のおばさんに道を聞いて、岬の裏側にある岩井袋という港に行くことにする。
細い坂道をゆっくり上ってトンネルを抜けると、小さな漁村に出た。途中オクラ畑でオクラの花などを観察したりしたので、30〜40分ほどかかってしまったが、静かで素朴な村だ。
この海は、岩井袋の小さな防波堤から見た海。
堤防の突端に腰を駆けて、とりあえず釣り糸を垂れる。別に釣れなくてもいい。ぼんやり浮きを見ているだけで、時間を忘れる。
写真を撮る気もなかったので、一眼カメラは置いてきて、ポケットに入るコンパクトカメラで、目に入る周りの景色を適当に撮って時間を過ごした。
穏やかな日で、波もなく、小さな漁船がときおり出入りするだけ。
沖を見ていたら、意外に早いスピードで、雨が走っていた。
パシャリ。コンパクトカメラに収める。最近のコンパクトカメラの欠点は、ファインダーがないこと。日中の屋外では液晶画面はまったく見えない。カンでシャッターを切るしかない。
昨日、この時の写真を見ていて、久しぶりに俳句を作ってみようと思った。
つまらない俳句がたくさんできた。おもしろくない俳句だが、なぜか穏やかな気持ちになる句だ。
こんなのがたくさんできてしまったので、今日からしばらくは癒し系俳句を乗せることにする。