夏の雲記憶の底を浚いだす
先日、8月ももう終わるというのに、ベランダから見える空に、大きな入道雲がかかりました。
入道雲の上の空は、もう秋の気配、空気が澄んでいるせいか、雲が白くくっきりと鮮やかです。
こんな大きな入道雲は、東京に出てきて50年ほどになりますが、初めてではないでしょうか。
子供のころはいつも、月山の上にかかる大きな入道雲を見ていました。
青い空は未来を予感させますが、入道雲は、過去を思い出させるようです。
どこかで見たことがあるような顔が無数に見えたり、崩れて顔から犬の姿になったり、刻々と変わる雲の表情が、過去の記憶を呼び起こすのかもしれません。
この写真でも、大小さまざまな人の顔や動物の姿を想像することができますが、非常に驚いたのは、左上の雲の最先端の少し左にちょっと突き出している雲が、母親の姿に似ていることです。
ちょっと背中を丸め、うつむき加減に横を向いています。
思い込んでしまうと、そうとしか見えなくなるのが不思議です。