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北鎌倉の紅葉-1・円覚寺

円覚寺正続院

小春日の遠き読経や円覚寺

11月22日、突然思い立って、北鎌倉に行った。予定では、箱根か河口湖に行くはずだったのだが、あまりにも天気がよく、車が渋滞しそうなので、電車で行けるところということで、急遽変更したのだ。北鎌倉に行くのは初めて。仕事のロケなどで、大仏や鶴岡八幡宮などには行ったことがあるのだが、北鎌倉にはこれまで用がなかった。もちろんあじさい寺とか縁切り寺など、名前は知っているのだが、あまり興味はなかった。今回、紅葉の写真の候補地として急遽、北鎌倉に決めたのは、ちょうど紅葉の見頃ではないかと思ったことと、一つの寺がだめでも近くにいろいろ寺があるのではないか、と思ったこと。もちろん電車一本で行けるという便利さもある。昔買った鎌倉の観光ガイドブックとカメラ2台、リュックを背負って、総武横須賀線に乗る。
ところが、北鎌倉の駅に着いた途端、北鎌倉を選んだのは間違いであることに気がついた。人が多すぎる。ホームからなかなか外に出られない。そして、周りを見回しても、ほとんど紅葉していないのだ。
来てしまったものはしかたがない。まず、駅のすぐ傍の円覚寺に入ってみる。思っていたよりも広い。もっと山の中にあるのかと思っていたのだが、境内はなんとなく殺風景で、三門などの建物が目立つ。ところどころ紅葉した木もあるものの、紅葉狩りというにはまだ早い感じだ。色づき始め、季語で言えば「薄紅葉」といったところ。
興味深い建物などもあったのだが、写真を撮っても、人を消すことはできず、ごちゃごちゃした写真しか撮れない。また、天気が良すぎて、コントラストが強すぎ、うまく写ってくれない。
人の流れに沿って奥の方まで行くと、人が渋滞している。門のところで立ち入り禁止になっていて、そこでみんな引き返している。ガイドブックを見ると「正続院」と書いてある。正面にそれほど大きくもない建物があり、向かって右横に、数棟の建物が見える。門の中は庭になっていて、誰もいない。どの棟かわからないが、おそらく数人による読経の声が聞こえる。
その奥、突当たりに黄梅庵という庵があり、野の花で有名らしいのだが、もう花はなく、コムラサキなどの木の実が少しあるだけだ。庭には木彫りの観音様のようなものがあり、ちょっと興味をひかれたのだが、それよりも、軒下の古い梵鐘が気になった。どうして、何のためにここにこの鐘があるのか。この後行った東慶寺(縁切り寺)にも、同じような大きさの鐘が、同じように軒下に吊るしてあった。尼さんと何か関係があるのだろうか。

円覚寺正続院山門前 円覚寺黄梅庵の梵鐘
▲円覚寺正続院山門前の人だかりと、なぜか気になる円覚寺黄梅庵の梵鐘。

国宝の鐘が、結構疲れる石段を登った所にある。鐘楼はかなり風化して、貫禄があり、年代を感じさせるが、梵鐘そのものは、どこが国宝なのか、その良さがよくわからない。
その鐘楼のところは、見晴らしがきき、鎌倉の山が見渡せ、その先には富士山も見えている。
一時間以上歩きまわったのだが、いい写真は撮れなかった。紅葉がメインのはずが、建物に目が向いてしまい、パンフレットの写真のような写真ばかり撮ってしまった。

円覚寺鐘楼からの眺望 円覚寺の紅葉
▲円覚寺鐘楼からの眺望とまだ色づき初めの紅葉。

さて俳句だが、晩秋の鎌倉の寺めぐりなのだから、どこの寺の晩秋の風情なのかはっきりさせた方がいい。そこをコンセプトにこのシリーズを作ることにした。
この寺で一番印象に残ったのは、あの途切れることなく殷殷と流れる読経の声。そこを俳句にしたい。

円覚寺読経澄みたる一ところ

円覚寺は、鎌倉でも大きな寺のようだが、観光地化して他人の波が押し寄せている。しかし、この一角には、まだ人を拒む厳しい世界が残っている。といった意味。「澄みたる」で晩秋を表そうとしているのだが、その感じが全くない。コンセプトから外れてしまったようだ。

薄紅葉読経途切れぬ円覚寺

「薄紅葉」は、まあいいとして、「読経途切れぬ」はどうか。当たり前すぎないか?

薄紅葉読経波打つ円覚寺

「読経波打つ」は、時々読経が大きくなったり小さくなったりすることを例えたのだが、強すぎて「薄紅葉」と合わない。全体に調和していない。

晩秋の遠き読経や円覚寺

どこから聞こえてくるのかよくわからない、遠い読経の声。これはちょっといいかもしれない。「晩秋」は、ちょっとさびしく、「遠き読経」に合いすぎているのが平凡か。

小春日の遠き読経や円覚寺

季語を「小春日」に変えたら、ぱっと明るくなった。どこかあっけらかんとしている円覚寺の印象に合っているかもしれない。




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