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北鎌倉の紅葉-2・東慶寺(縁切り寺)

縁切り寺の小仏

薄紅葉縁切り寺のささめごと

円覚寺の鎌倉街道をはさんだ斜め向かいに、縁切り寺として名高い東慶寺がある。いかにも尼寺らしく、山門の前の石段の横に、かわいい竜胆の花が咲いていた。
山門は、意外にこじんまりとしている。円覚寺という大きな寺を見た後なのでそう感じるのかもしれない。どこか清潔な感じがする。
有名な割に人が少ない。団体客などはいなくて、若い二人連れや外人が目につく。団体客がいないのは、単純にバスを止める場所がないというだけの理由かもしれない。大声で話す人もなく、ほとんどの人は黙々と歩いている。
山門を入った左手に、小さいながらちょっと趣のある鐘楼がある。年老いた梅が数本あるのだが、ちょっと痛々しい。
右手に本堂を見ながら進むと、松ヶ岡宝蔵、その横にもみじの大木があり、薄く紅葉している。
突き当りが山で、その山影が墓苑になっている。縁切り寺で一番印象に残ったのは、この墓苑。特に青く苔むした岩肌は、独特の表情を見せて素晴らしい。墓苑の入り口の岩肌に、ちょこんとある小さな石仏には、赤い花が供えてあるのだが、その赤と花の大きさが、青い小仏と岩肌に、ぴったりとマッチして、立ち止まらずにいられない。どことなく尼寺ならではの雰囲気が漂っている。

縁切り寺のリンドウ 縁切り寺鐘楼
▲山門石段横の可憐なリンドウの花と、どことなく気品を感じる鐘楼
縁切り寺の紅葉
▲もみじの大木。緑から赤へのやわらかな色のグラデーションに趣がある。
縁切り寺本堂 縁切り寺墓苑
▲東慶寺本堂と墓苑の岩壁。岩壁は一面青い苔で覆われている。

寺全体としては、どことなく雰囲気があり、また、気取りがなく、普通に人が生活していそうな感じがして、好きになれそうな寺だ。人が少ないのもいい。
俳句にするとすれば、この何ともいえず静かで落ち着く感じか。円覚寺では得られない感覚。

ひっそりと縁切り寺は秋の中

またもや、最初はつまらない句。「縁切り寺」という名前だけで六文字もあり、上五や下五には持っていきづらい。さらに季語も入れるとなると、なかなか難しい。「東慶寺」とすれば、五文字なので扱いやすいのだが、これではおそらく、これはどこの寺?となってしまう恐れがある。
「縁切り寺」で中七文字を使い、季語で五文字を使うとすれば、あと残るは五文字。このたった五文字で何が言えるだろうか。

短日や縁切り寺の仏たち

墓苑の雰囲気が印象に残っているので、「仏たち」と置いてみたのだが、「縁切り寺の仏たち」となると、上五にどんな季語を持ってきても、どうも古くなってしまう。寺を新しい感覚で詠むことはできないだろうか。

外人と縁切り寺と薄紅葉

試みに、思いつくキーワードを並べてみたのだが、平凡で面白くない。「薄紅葉」は生かしたいような気がする。あと五文字をどうするか。

薄紅葉縁切り寺のささめごと

境内が非常に静かだということを五文字で表すにはどうすればいいかを考えた。単純に「静かなり」とか言ってしまったのでは、俳句にならない。
この寺に来て、ずっと気になっていたのだが、円覚寺などに比べると、みんななぜかあまり話をしていない。話すときでも囁くように話しているようだ。そこで、突然「ささめ」という言葉がひらめいた。
「ささめ」とは、ひそひそと囁くこと。それから転じて、「ささめごと」といえば、内緒話とか、男女間の語らいを指すようになったらしいのだが、「ささめ雪」という言葉があるように、もともとそれほど悪い言葉ではない。何となく縁切り寺にぴったりの言葉のように思えてきた。




コメント
 こんにちは。拝見致しました。
 最初の句から、この最終的な句が仕上がるまでの、自問自答、そして修正、修正の努力。”ささめごと”は本当に縁切り寺にぴったりとくる言葉という感じがします。なんといってもひそひそ話をしている様子を想像させられます。
 どちらかの俳句クラブに投稿してみてはどうでしょうか。投稿も一度だけでなく、ずっと続けられれば、取り上げられることも多くなると思いますし、大きな励ましになります。
 私も年取ってきたせいか、神社仏閣に興味が出てきたので、太田さんが訪問されたお寺の説明、様子がとても面白いです。日本で見て周れないけれど、太田さんの作品から、あちこち行けるし、学ぶことができます。
 まるで山渓の記者さんみたいだなあと、思いました。
 どうぞマイペースで頑張ってくださいね。
 
  • しろくま
  • 2008/11/28 7:49 AM
しろくまさん

こんにちは。コメントありがとうございます。
今日は一日中外出で、いま会社に帰ってきました。今は俳句の気分にならないので、今日の俳句は休みです。
俳句クラブのようなところは、結社と言うらしいのですが、俳句にもいろいろ派閥みたいなもの(師匠の系列のようなもの)があって、どこに投稿すればいいのか、どんな結社がいいのかなど、さっぱりわかりません。
また、結社みたいなものに入って、自分の俳句をいろいろいじられるのもいい感じがしません。
ということで、そうした俳句クラブのようなところには全く興味はないのですが、ただ、NHKの「フォト五七五(http://www.photo575.com/)」というところには、5、6回応募したことがあります。
ここは、写真に俳句を付けるという、まさに今、私がやっているのと同じスタイルの俳句です。
毎月、グランプリ1点、優秀賞3〜4点、入選が16点ほど、ネットで紹介され、私は3回ほど入選したことがあります。(たしか、今年の1月と8月と10月です)
今月も応募していて、12月上旬に発表されるのですが、入選できるかどうか、楽しみです。
確かに、こうしたところに応募するのは、一つ励みになりますね。
この「フォト五七五」だけは、これからも続けて応募するつもりでいます。俳句は自分でも善し悪しがわからないところがあって、とっても難しいですね。
  • 無一
  • 2008/11/28 7:04 PM
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