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北鎌倉の紅葉-3・浄智寺

浄智寺の布袋さん

浄智寺や布袋うららか秋うらら

縁切り寺から鎌倉海道を鎌倉駅方向に少し下った所に、浄智寺がある。鎌倉街道からは、少し奥まったところにあるのだが、ここは、縁切り寺とは一変して、なぜか人が多い。
入口の所に池があり、石橋があって、そのちょっと先に「寶所在近(意味不明)」と書かれた小さな門がある。三門というものでもないので、何というのか。神社の鳥居のような門だ。そこからちょっと風情のある石段が続く。人が多いので、写真に撮ってもあまり様にならない。
石段の上に三門があって、どう見ても左に傾いているように見える、おそらく石段が傾いているためなのだろうが、気になる。この三門は、鐘楼も兼ねているということで中国風の珍しいものだという。しかし、どこか頼りない。新しいということもあるが、全体に作りが安っぽいのだ。撮影のセットのようだ。
その先に「曇華殿(読めない)」という本堂?があって、その中に釈迦三尊のようなものがあったらしい。ただ何となく歩いていたので、その時は気付かずに、写真を撮り損なってしまった。
境内はそれほど広くはないが、山の中にあるということで、それなりに雰囲気がある。建物なども、田舎家のような侘びた感じのものもある。でも、なんかポイントがないなあ、などと思いながら、奥に進むと、小さな洞窟の入り口のようなものがあり、「布袋さんのお腹をなでるといいことが…」といったような意味の看板があったので、入ってみると、それは単純に山に掘った、2メートル程度の小さなトンネルで、墓地に行く道に出た。
昔の東北の農家を見るような素朴な庫裡?(おそらく)の裏と竹林を見ながら行くと、奥まった所に墓地があり、その外れに、お腹に秋の強い日差しを浴びた布袋さんが唐突に立っている。たしかこの横だと思ったのだが、古いポンプで吸い上げる井戸があった。なぜか、鎌倉の寺には井戸が多い。
この寺の見どころは、この布袋さんかもしれない。高さな2メートル程度だろうか。見るからに布袋さんなのだが、手を前に突き出しているところが変わっている。この手は何だろうか。見に来た人たちがお腹に触るのだろう。お腹が黒光りしている。

浄智寺入口 浄智寺三門
▲混雑する浄智寺入口と左に傾いてみえる中国風三門
浄智寺本堂 浄智寺庫裡裏
▲本尊様を撮り損なった浄智寺本堂と、素朴な庫裡と庭

何かあっけない感じで回ってしまったため、この寺の特徴がよくつかめない。山の寺の侘びた感じと観光地特有の俗っぽい感じがごったになっている、という印象。あの新しい三門は、作った人の気がしれないし、あちこちに「江ノ島七福神」などといった幟が立っているのも気になる。
とはいえ、やはり由緒ある寺。ここで何か一句作りたい。この寺の特徴は何か考えてみると、どこか素朴で作らない感じ、あるがままののんびりした感じがいいのではないかということに気がついた。そうした意味から言えば、あの違和感のある三門や唐突な布袋さんも納得がいく。何でもかんでも受け入れて、こだわらないのだ。

浄智寺や布袋の腹をさする秋

私の頭の中では、「浄智寺ってどんなとこだっけ」といったときに、「布袋さんがいるところ」ということで、「そういえば、変な三門があった」などと、そこからいろいろと思いだすようだ。それだけ布袋の印象が強かったのだろう。句にするとすればやはり布袋さんだろう。
今回のコンセプトから、「浄智寺」という寺の名前は外せないとして、「布袋」と季語をどうからませるか、そこが難しいところだ。その点で、この句は苦し紛れで失敗だ。

浄智寺の布袋の腹の秋日かな

布袋さんの腹に眩しく注いでいる陽ざしに注目してみた。布袋さんと言えば腹、その肝心の腹にまばゆいばかりの秋の日が注いでいる。おもしろくないか?おもしろくない。それこそ、布袋さんと言えば腹を思うのだから「布袋の腹」とは言いたくない。

浄智寺や布袋うららか秋うらら

「布袋うららか」は、布袋さんの、どこかのんびりとして何でも許してしまう、といった感じを表現したもの。実際、腹をさするとご利益があるとか、安産だとか、病気が治るなどとは言っていない。単純に「お腹をさすると元気が出る」と、横にある看板に書いてある。まるでアントニオ猪木さんのような、そんなところが「うららか」なのだ。ちなみに「うららか」を辞書で引いてみると、「空が晴れて、日が柔らかくのどかに照っているさま」の他に、「心にわだかまりがなく、おっとりしているさま」という意味もある。そう、浄智寺はどこか「おっとり」しているのだ。

今回は、紅葉にはまだ早かったが、この寺は、紅葉よりも、春、梅の頃とか、初夏の若葉の頃に来た方が風情があるかもしれない。もちろん、平日の人がいないときに。




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