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南伊豆の正月/4-河津七滝巡り(1)

釜滝の滝壺

行く先は落ちるばかりの冬の滝

旅館の薦めもあって、河津七滝というものを見に行くことにした。天城トンネルに向かって車で約20分。天城の崖を一気に降るループ橋の下を左折すると、すぐ河津七滝の入口になる。
河津温泉旅館の横をだらだら渓に降りていくと、一番下流の大滝(おおだる)に出る。この大滝は七滝の中では最大のスケールを誇っているらしい。まあ、それなりの中くらいの滝である。滝のすぐ横に穴があり、「秘湯穴風呂」と書いてある。おもしろいと思っていたら、帰る途中の岩にもところどころに穴が開いていて、中は狭く暗い温泉になっていることに気がついた。この穴風呂は旅館の私有物なのだろうか。気になる。
この滝の先へは、川沿いに行くことができないので、いったん戻ることになるのだが、これが意外に大変。かなりへばってしまった。運動不足を痛感。

大滝全景 大滝温泉の穴風呂
▲左:七滝最大の大滝全景。右:滝のすぐ横にある「秘湯穴風呂」入口。

道路を歩いて、滝とは言えないような「出合滝」と「カニ滝」を過ぎ、「初景滝(しょけいだる)」へ。この滝は人気があるようで、ツアー客などで賑わっている。車道を外れて川沿いに歩いて行くと、途中に休憩所があり、あまり目立たない踊り子の像がある。何でこんなことをするのかと思っていたら、なんと、初景滝のまん前にも立派な(というか、どちらかといえばあまり冴えない)伊豆の踊り子のブロンズ像があるではないか。誰が考えたのかは知らないが、効果があるとは思えない。初景滝そのものは、それほど大きい滝ではないけれども、それなりに趣がある。踊り子の力を借りなくても、十分に人を呼ぶことはできそうだ。

初景滝(しょけいだる)全景 初景滝の踊り子像
▲左:初景滝全景。右:あまり冴えない伊豆の踊り子ブロンズ像。

ここまで、七つの滝のうち、4つを見たきたが、そろそろ飽きてきた。そもそも、冬の滝の魅力とは何だろうか。「滝」は夏の季語で、新緑を背景にして眺めてこそ、その魅力を感じることができることになっている。去年の冬、日光の華厳の滝を見に行って、俳句を作ってみた。寒い日でときおり雪が舞い、滝も凍っていたので、それなりに趣があり、俳句も作りやすかった。ところが、この伊豆の冬の滝はどうだろう。滝によって多少違いはあるとしても、滝は滝、ただ水が流れてきて落ちるだけだ。どうどうと天上を揺るがしているわけでもなく、神が潜んでいるようにも見えない。写真に撮っても、あまり撮りようがない。みな同じになってしまう。

踊り子と巡るうらうら冬の滝

こんなところでお茶を濁してしまおうと思ったのだが、それでは情けない。水が流れてきて落ちる、というその冬の滝の虚しさに焦点を絞ってみた。

振り向けば虚しく落ちる冬の滝

「振り向けば」は、「ば」で軽く切れ、自分の過去とかけているつもりなのだが、「虚しく落ちる」との繋がりがスムーズすぎて、意図が不明瞭、インパクトがない。

振り向けば虚しさばかり冬の滝

わかりすぎるほどわかる。まず、「振り向けば」が陳腐なだけでなく、それに輪をかけて「虚しさばかり」が陳腐の上塗りになっている。

行く先は愚かに落ちる冬の滝

「行く先」は、水の流れの行く先であり、これから見に目的地であり、自分の未来でもある。それが「愚かに落ちる」とはどういうことか。「愚か」がストレートに断定しているのでつまらない。

行く先は落ちるばかりの冬の滝

「虚しさ」とか「愚か」とか、感情を表す言葉を排除してみた。この方がすっきりする。
あえて解説すれば、自分の未来は、ただ落ちるだけで何の魅力もない冬の滝のようなものだ、ということ。





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