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俳句について(4)類想・類句について-1

秋雨

秋雨に遊びをせむとや舟を出す

中禅寺湖の秋は雨の中。
岸辺に無雑作に駐車してあるRVがカッコいい!
まさに「遊びをせむとや生まれけむ」です。 

◆  ◆  ◆

最近、偶然同じ言葉を使った俳句に出会うことがよくあり、しまったと後悔することしきりです。
なぜか、同じ時に同じようなことを考えている人がいるから不思議です。
以前、類想・類句について、「スローネット」というサイトに投稿したことがあるので、それに少々手を加えて掲載しようと思います。

俳句について(4)類想・類句について
 (2009/03/13スローネット投稿)

俳句をたしなむ人は誰でもそうだと思いますが、私は、基本的に類想・類句を嫌っています。
著作権とかいう難しいことではなく、同じ発想や同じような表現の俳句を作っているのでは、俳句を作る意味がなく、また、俳句を鑑賞する側の人間にとってもあまり意味がないことだからです。
意識的に真似をするのは論外としても、無意識にしても、似ているということは、ある種、恥だと思わなければならないでしょう。
ところが、類想・類句にはちょくちょくお目にかかるし、また、自分の俳句にもそれは多くあります。その時に気がつけばいいのですが、発表してから気がつくことがあるので、始末が悪いのです。
一昨日にこのブログの別タイトル「夢うつつ」に掲載した俳句、 「遠き日やバケツの中で鳴く泥鰌」は、真似と言われても仕方がない句でした。
今朝、電車の中で一茶の本を読んでいて、気がついたのです。

夕月や鍋の中にて鳴く田螺    一茶

遠き日やバケツの中で鳴く泥鰌  無一

これを真似と言わずに何と言うか。弁解の余地もありません。
ところが、私はこれをまったく意識していなかったのです。というよりも、一茶のこの句を知らなかったのですね。
あえて弁解すれば、この句は、去年の5月頃、以前描いた泥鰌の絵に俳句を付けたもので、初案は 耳の底バケツの泥鰌鳴いている というものでした。
子供の頃、田んぼの用水路で捕ってきた泥鰌が、バケツの中で泡をふきながらキュウキュウ鳴いているのを思い出して作ったものです。推敲しているうちに、最終的に掲載してあるような句になりました。
それにしても、発想、言い回し、リズムなど、あまりにも似すぎています。
一茶のこの句がどれほど有名かはあまり知りませんが、どこかでこの一茶の句を目にしている可能性もあります。
一茶に関する本は、この一年の間に俳句関係の本を少しと、それから数年前に藤沢周平の「一茶」という本を数回読んだだけ、この句に関してはまったく覚えがありません。
気づいてしまうと、もう恥ずかしくて見るのも嫌なので、すぐに削除し、初案に戻しました。

 俳句を作っている最中は、こういうことはよくあります。特にすらすらと出てきた時は怪しいと思わなければなりません。おそらく、どこか頭の中に他人の俳句が入っていて、それが、季語等の言葉に触発されて出てくるのでしょう。
そもそも、俳句は、たった17文字しか使えない不自由な文学です。もし季語を使うとすれば、残るは12文字程度です。ここにオリジナリティなどどれだけ出せるのでしょうか。
年間、おそらく数十万数百万の俳句が作られているはずです。中には全く同じ俳句があっても不思議はありません。
特に季語を使うとすれば、季語から連想される情景や情緒などは当然似てきます。類想の句が出てくる可能性は非常に高いわけです。
例えば、去年の春、三月に、私はブログに、

土筆の子一つ見つけてまた一つ

という初心者丸出しの句を掲載しました。
翌月、何という雑誌だったか忘れましたが、本屋で俳句雑誌の投稿欄を立ち読みをしていて、まったくと言っていいほど似ている句を見つけたのです。
一瞬、真似されたかと思いました。が、よく考えてみれば、そんなことはないのですね。雑誌に俳句が載るまでは、投句してから二、三ヶ月はかかるはずです。真似して投句することは不可能なのです。
下手をすれば、どこかにこの句とよく似た句があって、私もその句を真似したのかもしれないのです。
たしか、正岡子規が、俳句の言葉の組み合わせにはいつか限界が来る、というようなことを言ったとか、何かに書いてありました。
そうした可能性もないではないのです。

泥鰌 ツクシ
▲左:初案に戻した泥鰌の俳句。 右:ほとんど同じ句を見つけてしまったツクシの写真俳句。


類想・類句をどう考え、どう対処していくか。そのことについてはまた後で。(続く)



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