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俳句について(5)初めての選句

ウタダヒカル

秋の夜は宇多田ヒカルをそっと聞く

写真を整理していて、ぽっと浮かんだ俳句。
年甲斐もなく宇多田ヒカルの歌が好きで(特に詩がいい)、 シングルヒットを集めたCDをipodに入れて、散歩のときや電車の中などで、繰り返し聞いています。
しかし、馬鹿にされるのは目に見えているので、女房や子供には内緒。家で聞くときもヘッドホンでこっそりと……。

◆  ◆  ◆

以下のコラムは2009年3月にスローネットと言うサイトに投稿したものです。当時は俳句がおもしろくてしょうがないときで、いろいろな俳句サイトに参加していました。
ネットとはいえ、俳句のサークルに入ったのは初めて、もちろん選句などと言うのも初めてで、貴重な体験でした。

初めての選句 
(2009/03/12スローネット投稿)
 
初めてこのサイトのサークル句会というものに参加して、これもまた初めて選句というものを経験しました。
まだ、選句結果が出ていないタイミングで、こんなことを書いていいものか迷いましたが、私にとっては非常に楽しく勉強になったことなので書かせてもらいます。サークル句会の会員の皆さん、ご容赦を。
サークル句会というのは、簡単にいえば、会員がそれぞれ名前を伏せて俳句を投句し、それを同じ会員同士で人気投票を行う、といったようなものです。
今回は、18名の会員の方が参加し、90句の投句がありました。その中から、特選1句、入選5句を選んで投票します。
今はまだ、投票の最中で、結果はわかりませんが、投票の様子は見ることができるので、あらかた結果は見えてきたようです。
 一人で俳句を作っていると、自分の俳句がどの程度のものかさっぱりわからず、誰かに評価してもらいたい、といつも思っていますが、他人の句の優劣を判定したいとは、なかなか思いません。というか、他人の句はわからないのです。雑誌などの投句欄に出てくる俳句を見ても、どれも同じに見えてしまいます。
今回は、初めての選句ということもあって、90の俳句をじっくりと眺めてみました。
まず、気になるのは自分の句です。私は5句出したのですが、その5句が90句の中に入ると、非常に見劣りがするんですね。稚拙さを痛感させられます。
私の句を除いた85句の一つ一つをよく見ていくと、それぞれに工夫があり、手なれた感じで、うまいなあ、と感じさせられます。どれを選んでもいいようなものです。
何かテーマのようなものに縛られているわけではなく、それぞれの句が勝手に自己主張しているわけですから、それを比較して優劣をつけるというのは、非常に難しいのです。結局は好きか嫌いか、みたいなことになってしまいそうです。
そこで、私は、私なりに評価の基準を考えてみました。
 
(1)どこか気にかかる→一見して目がとまるか。心に響くか。
(2)独創性がある→発想が誰かの句に似ていないか。表現は言い古されていないかなど。

この二点に絞って、選句したのです。 一通りは目を通しているので、まず、(1)の「どこか気にかかる」をピックアップしていきます。上から順番に読んでいって、「うっ」と思ったものを選びます。この時点でピックアップしたものは、ほとんど合格ということにします。今回は3句ほどでした。
次に、残った句を(2)の基準で、もう一度じっくりとみていきます。ここでは、やはり、洗練されたうまい句が選ばれます。今回は10句ほど残りました。
さて、私の選んだ句は13句になってしまいました。この中から、特選1句と入選5句、絞り込まなければなりません。選句の難しさをつくづく感じました。
自分のような経験不足の未熟者が、はたして人が作った句を評価などしていいものだろうか、などと、ちょっと弱気になってしまいます。裁判員の心境です。結局は無理やり理由をつけて、当落を決めました。
私が特選にした句は、一見してこれは変わっている、と思ったもので、迷わず特選にしたものです。
 
プリズムの春日折り曲げ掌へ
※2009年3月に行われたスローネットのサークル句会に投稿された句を引用しています。

どなたの俳句かわかりませんので、うかつなことは言えないのですが、俳句的に見れば、切れもなく、どことなく間延びして、稚拙な感じさえします。
しかし、「春日折り曲げ掌へ」という表現が響いたのです。
どこがどうだと細かく言えないところがちょっと悔しいのですが、この感性の豊かさが、私には新鮮に映りました。類想はあまりないのではないでしょうか。
ところが、いまのところ、この句を選んだのは私だけなんですね。
ほかの方が選んでいる句もいい句だと思います。私が入選にしたものも多くの票を集めているようなので、私の選句眼が異常だとも思えないのですが、どうしたことでしょう。
ちょっと落ち込んでしまいます。
選句というのは、他人の俳句を選んでいるように見えて、自分の俳句に対する考え方や、ひいては人間性までも試されているようなものです。
そう思うといい加減な選句はできないですね。



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