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俳句について(6)季語を考える-7

雁

雁行けば赤城の山の幕は下り

赤城山の紅葉は終わり、 もう冬支度に入ったようです。
雁?が雲の中を飛んでいます。

巌鉄  あゝ、雁が鳴いて南の空へ飛んで往かあ。
忠治  月も西山に傾くようだ。
定八  俺ぁ明日ぁどっちへ行こう?
忠治  心の向くまゝ足の向くまゝ、当ても果てしもねえ旅へ立つのだ。
巌鉄  親分!

ということで、赤城山シリーズは幕。チョン、チョン、チョンチョン……。

◆  ◆  ◆

季語を考える-7
(2011年10月25日)

●季語の使い方

季語を安易に使うと、類想・類句や月並みの落とし穴に落ちる。落とし穴に落ちるのは俳句を頭で考えるからだ、というようなことを前回は書きました。
どういうことかというと、人間の考えることなど五十歩百歩、もし、その考えが間違っていなければ、答えは同じになるはずです。つまり、考えて作るのでは、人と同じものしかできない、と言うことです。

「考える」と言うことは、ある目的に向かって進もうとすることです。ところが俳句には目的などありません。当然答えもありません。だから考えなくてもいいのです。
考えるから人と同じ答えになるのであって、考えなければ、人と同じになることはありません。答えは幾つでも出てきます。

考えないで俳句を作ることなどできるでしょうか。

例えば、人の顔をスケッチするとします。どこから描き始めますか?
ある人は目から描き、ある人は顔の輪郭から描くかもしれません。それはなぜなのでしょう。考えて描いているのでしょうか。おそらく何も考えていないはずです。
それでは、なぜそこから描き始めるのでしょう。また、最初に鉛筆を置く紙の位置はなぜそこなのでしょう。なぜ色はその色で、絵の具を混ぜる量はその量なのでしょう。
絵を誰かに教わって、人の顔は目から描きなさい、とでも言われていれば別ですが、そうでもなければ、おそらく、それは、その人の感覚なのです。頭ではなく、感覚で描いているのです。

俳句も全く同じです。頭で考えて作るのではなく、感覚で言葉を探すのです。
例えば、自然に対した時に、ぱっとひらめいた言葉、なぜか浮かんできた言葉を大切にするのです。
なぜ、その言葉なのか、ということを考える必要はありません。理由など要らないのが俳句です。
もっとわかりやすい言葉を、などと考える必要もありません。目的などないのが俳句です。
ただ一つ、必要なこと、それは、理由もなくパッと出てきたその言葉が、自分の心に響くかどうかということの確認です。
しかし、そうしたことはすぐにはわからないもの。それでもいいのです。
そうした言葉で俳句を作るとどこか不安で、すぐに直してしまいたくなるのですが、そこを我慢して、自分の感性を信じることです。
もちろん、駄句を山のように作ることになりますが、数日か、半年か一年先にその数多の駄句を見て、その中に、いいじゃないかと思える句が一つでもあれば、成功なのだと思います。
 
季語を決めて、そこから句を発想しようとすると、季語をどう生かすかとか、どう関連付けるかなどと、どうしても頭で考えてしまいます。
だから、季語のことは一旦忘れることです。
私は、ほとんどの場合、季語から俳句を作るのではなく、写真を見て俳句を作るので、考えると言うよりはその写真に感応して言葉が浮かんでくる、という感じで俳句ができて行きます。
そこに季語が入っていれば儲けもの、といった感じなのです。
ただ、その場合の弱点は、発想がどうしても写真に引きずられて、写真の説明のような句になりがちなことです。もっと、本能的な感性や、動物的な感性を磨いていかないといい俳句にはならないようです。

私は、写真を見て俳句を作りますが、他人の撮った写真を見て俳句を作ることはできません。その写真に何も感じないからです。つまり感性が働かないということのようです。
自分が撮った写真は、すでに、撮ろうとした時点で、その対象物に対して感応しているということなので、俳句が作りやすいのだと思います。
また、秋に、夏の写真を見て句を付けることもなぜかできません。やってみてもうまくいかないのです。体や感覚が季節に感応しないためなのでしょう。

類想・類句の落とし穴に落ちないための、季語の使い方のまとめです。

・季語で俳句を作るな。俳句に季語が入っていれば儲けものだと軽く考える。
・俳句に季語を入れたいときは、理屈や理由で選ぶのではなく、ひらめきで選ぶ。
・俳句は「考え」て作るのではなく、「感覚」で作る。自分の感性を信じる。
・当季ではない俳句は作らない。例えば秋に春の句を作ろうとすると、感性は働かず、頭で考えて作ることになる。

季語は、俳句にとっては非常に重要なことなので、まだまだ言いたいことはありますが、ひとまずこの辺にして、次は仮名遣いについて考えてみます。(続く)



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